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起業のエキスパートに聞く!会社設立のための基礎知識
Vol.4
これがあなたの会社です──基本的事項を定めた定款を作る

会社名、事業内容、会社の機関、そして資本金──これらが決まったら、いよいよ登記手続きが行えます。しかし、登記申請をするには、まず初めに、これまでに決めたことを定められた書式に改め、「定款」として作成しなくてはなりません。では、その「定款」はどのように作ればいいのか? 司法書士の會田先生が定款の作成のポイントをわかりやすく解説してくれます。


會田 康之(あいだ やすゆき)
司法書士
平成5年、松本法律事務所に勤務。平成9年、會田司法書士事務所を開設。独立後、商業登記申請900件以上(司法書士会届出より)の実績を持つ。法律事務所勤務の経験を活かし、法律面からの視点も加えながら、現在もクライアントのさまざまなニーズに合わせた登記を行う。

会社設立の手続き
前回までの会社設立の準備が整ったら、実際に設立の手続きに進みます。

発起設立には

(1)定款を作成する。
(2)定款について公証人による認証を受ける。
(3)設立時発行株式に関する事項等の決定をする。(定款に定めていない場合)
(4)株式につき、その出資分を払い込む。
(5)設立時役員を選任、本店所在地を決定する。(定款に定めていない場合)
(6)設立時取締役等による調査を行う。
(7)設立時代表取締役等を選任する。(定款に定めていない場合)
(8)設立登記の申請を行う。
(9)株券発行会社の場合は、株券を発行する。
の手順を踏むこととなります。
では、発起設立の手順について、それぞれを説明していきましょう。

1-1.定款を作成する。

・定款とは

会社の商号、目的、本店所在地、組織など基本的事項を定めた規則のことを「定款」と言います。会社設立にあたっては、必ずこの定款を発起人全員で作成し、書面に記載して発起人全員が記名押印(実印)しなくてはなりません。
また、平成14年に電子公証制度の運用が開始され、電磁的記録による定款(電子定款)も認められるようになり、電子定款に、電子署名をするという方法も選択できるようになりました。

・定款の記載事項

新「会社法」においては、機関設計を初めとして、会社の組織・運営に関する多くの事項が、定款の相対的記載事項(定款に記載しなくても定款そのものの効力には影響がありませんが、会社にとって効力をもたせようとするには必ず定款に記載しなければならない事項)とされ、定款自治が拡大されました。そこで、定款にどう定めるかが、大変重要になります。
※定款の内容については、書籍で詳しく研究する・専門家(公証人・司法書士など)に相談する事をお勧めします。

「絶対的記載事項」(必ず記載しなければならない事項)として、次のような項目があります。

(1)目的  事業内容を記載する
(2)商号  商号中に「株式会社」の文字を用いなければならない
(3)本店の所在地  本店の所在地の市区町村までの記載でも良い
(4)発起人の氏名と住所  人数制限なし
(5)株式会社の設立に際して出資される財産の価額又はその最低額  新「会社法」においては、最低額を定める形でも良くなった
(6)発行可能株式総数  ただし、原始定款に記載しなくても、設立の登記申請時までに
 定めれば良い
 

また、「相対的・任意的記載事項」として、一般的には次のような項目があります。

(1)資本金の額
(2)発行する株式の数
(3)株券の発行についての定め (不発行が原則)
(4)取締役会、会計参与、監査役、監査役会、会計監査人、又は委員会の設置に関する定め
(5)株主総会の普通決議の定足数
(6)取締役、監査役等の員数、任期に関する定め
(7)変態設立事項 (現物出資等) 
(8)株式の譲渡制限の定め
(9)定時株主総会の招集時期
(10)会社の事業年度に関する定め
(11)公告方法 
 
知恵袋
以前の「商法」からある「株式の譲渡制限」は、売買等の譲渡によって会社に好ましくない者が新たな株主となることを防ぎ、会社の非公開性を維持するための制度です。
新「会社法」においては、さらに、譲渡制限株式について、相続等の一般承継による取得の場合でも、株式を取得した者に対して、その株式を会社に売り渡すことを請求できる旨を、定款で定められるようになりました。 

・定款の作成方法
書面にて作成する場合、用紙、記入方法に制限はありません。
作成部数は、

(1)設立登記申請用
(2)公証人役場保管用
(3)会社保管用

の3通です。3通に発起人全員が実印で記名押印(割印・捨印も)します。定款に発起人の捺印をする前に、定款の案文ができ上がった時点で、認証してもらう予定の公証人役場で、内容を確認してもらうと良いでしょう。
知恵袋
登記関係書類への捺印は、名前の後に文字に重ならないように捺印します。各書類が数頁に渡る場合は、左端を袋とじ・ホチキス止め等をして、各頁に割印をします。捺印後、誤字・脱字等が見つかった場合の修正用に、各書類に捨印(上部余白欄等に各書類の捺印者全員の捺印をする)をしておくと良いでしょう。 

1-2.定款について公証人による認証を受ける

定款は、公証人役場で認証を受けなければなりません(公証人役場は、本店が東京都の場合、東京都内の公証人役場であればOK)。原則は、公証人役場に発起人全員が行くものですが、代理人を立てて依頼する事もできます。

公証人役場へ提出するものは、

(1)定款3通
(2)発起人全員の印鑑証明書
(3)発起人全員の印鑑(代理人による場合は代理人の印鑑)
(4)収入印紙4万円
(5)認証手数料5万円(現金)
(6)定款の謄本交付手数料1ページにつき250円
(7)代理人による場合は、発起人の実印を押印した委任状、及び代理人の印鑑証明書(運転免許証等でもOK)

です。一部の公証人役場で、電子認証(書面ではなく、電子データ・電子署名による認証)が始まっています。

知恵袋 
認証された定款の本紙は、公証人役場に20年間保存されます。利害関係人であれば、公証人役場において、保存された定款の謄本の交付・閲覧を請求することができます。
会社においても、定款の備置きと開示は、法律によって定められています。設立時の原始定款の内容は、会社を運営していく上で、随時定款変更していくことにより変わっていきますので、定款変更時に内容を更新して、保管・管理していかなければなりません。 

──前回、Vo.3『会社の根幹である機関と資本金を決めましょう』へ戻る

──次回、Vol.5『会社設立の最後の関門!登記申請と官公署への届出』へ続く

 

ゲスト:會田 康之(あいだ やすゆき)
司法書士

平成5年、松本法律事務所に勤務。平成9年、會田司法書士事務所を開設。独立後、商業登記申請900件以上(司法書士会届出より)の実績を持つ。法律事務所勤務の経験を活かし、法律面からの視点も加えながら、現在もクライアントのさまざまなニーズに合わせた登記を行う。

制作提供:(株)ECOM 296会社.com (作ろう会社どっとこむ)事業部 http://296kaisha.com
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