役員報酬と税金

役員報酬と税金|法人税が下がり所得税が上がる綱引きを理解する

役員報酬を上げると「会社の法人税が下がり、個人の所得税が上がる」という逆方向の動きが起きます。どこかで逆転が起きるため、「税金を減らしたいから上げればよい」は危険です。合計コストで判断してください。

  • 法人税と所得税が逆方向に動く仕組み
  • 合計コストで逆転が起きる月額帯
  • よくある勘違いと正しい判断の軸
役員報酬と税金 法人税と所得税の綱引き
上げると法人税が減り所得税が増える。どこかで逆転が起きる。

役員報酬と税金の基本的な仕組み

決算や資金繰りを含めて整理したい方は「決算 税理士」まとめページをご覧ください。→ 決算 税理士

役員報酬は会社の損金(経費)として計上されます。そのため会社の課税利益が減り、法人税は下がる方向に動きます。一方で個人の課税所得が増えるため、所得税・住民税は上がる方向に動きます。

役員報酬の動き会社(法人税)個人(所得税・住民税)結論
役員報酬を上げる減りやすい増えやすい「会社→個人」に負担が移る
役員報酬を下げる増えやすい減えやすい「個人→会社」に負担が戻る

重要なのは、役員報酬を上げ続けても「合計コスト(法人税+所得税+社会保険)」が最小になる月額がどこかに存在することです。そこを超えると、法人税の節減より個人の増税・保険料増加の方が大きくなり、逆転します。

よくある勘違い3つ

  • 「法人税が下がるから役員報酬は高いほど得」:所得税と社会保険が増えて合計コストが逆転します。最適点を超えての増額は損になります。
  • 「手取りだけで決める」:手取りが確保できても会社の現金が不足し、決算・納税で詰まることがあります。会社の現金安全ラインを先に確保してください。
  • 「税率表だけ見て決める」:実際は給与所得控除・社会保険料控除・扶養控除などで結果が変わります。税率表の数字だけで判断しないでください。

正しい判断の軸:合計コストで見る

役員報酬の月額を決める際は、次の合計コストを3パターン(低め・中間・高め)で試算して比較してください。

合計コスト=法人税額+個人の所得税額+住民税額+社会保険料(会社負担+個人負担)

この合計が最小になる月額が「最適点」です。この試算は税理士に依頼することで、控除・保険料も含めた正確な数値が出ます。目安の試算だけでは間違いが起きやすいです。

詳しい手順は役員報酬の決め方(メインページ)をご覧ください。

よくある質問

Q
役員報酬を上げると法人税は必ず下がりますか?
役員報酬は会社の費用になるため法人の課税利益が減り、法人税は下がる方向に動きます。ただし他の経費や繰越欠損金の状況によって変わります。
Q
税金だけで役員報酬を決めていいですか?
危険です。法人税だけを見ると所得税と社会保険料の増加を見落とします。必ず法人税・所得税・社会保険の合計コストで判断してください。
Q
住民税も増えますか?
増えます。住民税は所得に連動するため、所得税と同じ方向に動きます。所得税率が高い帯では住民税も含めた合計税率が高くなります。
Q
役員報酬に消費税はかかりますか?
かかりません。給与・役員報酬は消費税の課税対象外です。
Q
結局、どう決めるのが最短ですか?
まず会社の現金安全ライン(納税+運転資金)を確保し、次に生活費の上限を設定し、最後に税金と社会保険の合計コストで3パターン比較して決めます。詳細は役員報酬の決め方をご覧ください。

合計コストで最適な月額を試算してもらえます

「法人税・所得税・社会保険を合わせていくらになるか」を税理士が正確に試算できます。

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