さて、新会社法では新たに会社設立をする際の規制緩和も注目ポイントです。従来ですと、会社設立の際には同一地域内に同じ会社名がないかの調査(類似商号調査)をする必要がありました。
しかし、新会社法では同一の住所でない限り原則として類似の商号も使用できるようになります。
その他、従来の会社設立に比べて資本金の払込等、多くの場面で簡易にできるようになりました。
また、定款で定めることにより取締役の任期も10年まで伸長できることになります。
従来ですと、最低でも2年ごとに取締役に関する登記(たとえ、同じ人が引き続き取締役を務める場合であっても)を行わなければならなかった訳で、10年と定めておけばそこの手続きも楽になります。
しかし、こうして各種の手続きなどが簡易な方向に行くというのは一見、楽なようにも見えますが必ずしもそうではありません。
物事は自由が増えれば、その分、「考える」という作業が必要になります。
先の取締役の任期なども10年に伸長することにより手続きには楽になりますが、逆に言えば、たとえ創業者から見て自社の取締役にふさわしくないと途中で気づいても容易に解任することは出来ません。正当な事由なくしても解任したならば、残りの任期分の役員報酬分程度を損害賠償請求される羽目にもなりかねません。
自由度が増した会社設立・運営ですが、その分、様々な問題に対して充分に考慮しておく必要があるといえます。
作成:丸山行政書士事務所
丸山学行政書士
監修:296会社どっとこむ |