〜 誰も教えてくれない実践労務 〜
■就業規則
従業員の数が10人以上になったら法律により、就業規則を作成しなければなりません。逆にいえば10人未満の場合は作成しなくても構いません。
しかし、実際のところは1人でも従業員を雇用することになったら作成しておいた方がいいでしょう。従業員のためにではありません、あなた(経営者)のためにです。
従業員が増えていく過程では、あなたの意思とは無関係に従業員の間に慣習とでもいうべき就業規則が自然に作られていきます。会社の空気ですね。
従業員が数人しかいない創業時は経営者と従業員も、なあなあで事が運んでいきます。遅刻しても賃金を減らさないとか、夜中まで仕事をした場合は翌日午後出社で構わないとか‥。
もちろん、創業時は何かと忙しく例外的な勤務体系となることも多いと思いますが、これはあくまで一時的な例外であるということを従業員に徹底させておいた方が、後で衝突することを避けることができます。
従業員が数十人になってから慌てて就業規則を作って、これに従えといっても慣習で作られた既得権益を従業員は守ろうとして衝突し、会社全体の士気にまで影響を及ぼしてしまうかもしれません(実際にこういうケースはよくあるんですよ)。
ですから、入社時に就業規則を理解させ、その上で現在は一時的に必要に応じて例外的な勤務体系も認めている。しかし、やがては就業規則にのっとった形に戻します‥などと前もって言い聞かせておけばトラブルを最低限に押さえることができるでしょう。
就業規則作成のもう1つの効用は、雇用関係で法的処分を下すときに、その根拠として使えるということです。基本的に法律は経営側よりも従業員を手厚く保護していることはご存知の通りです。
そんな中で従業員に不利な処分を下す(解雇や減給など)ことは非常に難しいといえます。裁判にでもなったら、なおさら手厚く保護されている従業員に有利にことが運ぶのは明白です。そんな時に就業規則に、
「三日以上無断欠勤が続いた場合は減給処分とする」
という規定があればそれを証拠として提出することも可能ですし、そうした就業規則が存在していればそもそも従業員側も無理な主張はしません。
ですから、従業員数にかかわり無く、会社側の危機管理として就業規則という契約書を存在させておくことをお奨めします。
しかし、だからといって何でもかんでも会社側に有利な就業規則を作っておけばいいのかというと、やはりそううまくはいきません。
労働基準法に違反するような就業規則を定めても、違反している部分は無効とされて法律の方が優先的に適用されます。
労働基準法で定められていることは強行法規といって、例えそれと違う経営者側に有利な契約を双方の合意で結んだとしても無効とされてしまう非常に強力なものです。
もちろん、従業員に有利なように法を変えて契約を結ぶ(あるいは就業規則に定める)ことはもちろん問題ありません。しかし、従業員を想うあまり、従業員に手厚すぎる規則を定めることも疑問です。というのも、原則として一度作った就業規則は「従業員に不利になるように変更」することは出来ないからです。
あまり、いいかっこし過ぎると後で自分の首を絞めることにもなりかねませんのでご注意を!
■役員報酬
役員報酬というのは、従業員の給料に相当するもので、原則として損金参入が認められます(税務上、有利になるということ)。
しかし、法人税法により、「役員報酬の額のうち不相当に高額な部分の金額は、損金の額に算入しない」と決められています。
不相当に高いとは具体的にどのように判断をするかというと、職務の内容、あるいは、類似する規模・業種の役員報酬と比較して判断されます。(決まったルールはないということですね。税理士さんと相談するといいでしょう)
ちなみに、役員報酬額は株主総会で決議することになっているのが一般的です。
■雇用の手続き
常時雇用する従業員を雇用した場合は、社会保険事務所への健康保険・厚生年金手続き、ハローワークへの雇用保険手続きが必要になります。
また、労働契約締結時には労働時間その他の労働条件を明示した書面を交付しなければなりません。
一般的に従業員を採用する際には、身元保証人を付けさせて身元保証書を提出させます。
「私は、表記の者が、故意または重大な過失によって貴社に損害を与えたときは直ちにその損害を賠償いたします」
との文言を入れるのが普通です。
なお、外国人を雇用する際には必ず「資格外活動の許可」もしくは「就労資格証明書」を持っていることを確認してください。不法就労の外国人を雇えば事業主も処罰される場合があります。
外国人の就労資格についての専門家は申請取次ぎとして承認された行政書士です。まずは相談してみるといいでしょう。
作成:丸山行政書士事務所
丸山学行政書士
監修:296会社どっとこむ
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